私が応援している地元愛媛の「愛媛FC」が苦しんでます。とにかく点がとれないんですよ。ただ、毎節ゲームを見ていて感じていたのが、「J2リーグ自体、得点が少ないんじゃないか」ということ。気になったので調べてみることにしました。
愛媛FCが波に乗れない原因は点が取れないこと
日本のプロサッカーリーグ2部”J2リーグ”に所属する愛媛FCは、アウェイでザスパクサツ群馬と対戦し、「1−2」で勝利を手にしました。
(出典:愛媛FC HP トヨ選手、ナイスゴール! タマちゃんも最後までよく走った!)
勝利の瞬間、クラブに関わる全ての人が歓喜しましたが、それもそのはずで、前回から約1月半の間勝利がなく、長く苦しんだ末にようやく掴んだ勝利だったからです。
(出典:愛媛FC HP)
勝てない原因ははっきりしていて、点が取れないこと。
これは、愛媛FCにとっては勲章でもあって、昨年度5位に躍進したことで他クラブが愛媛FCを研究して対策を講じるようになり、自分たちの攻撃を簡単に繰り出すことができなくなった結果です(それまでは弱小クラブとして、なめられていたと(涙))。
その辺はファン・サポーターもよく分かっていて、なかなか点が取れないからといって、「何だよ、弱っちいなー!」と文句を言う人はほとんどなく、クラブを後押ししているのですが、1つ疑問が。
それは、J2のゲームを見ていると、愛媛FCに限らず「点、入らないなぁ」と思うことが多いこと。つまり、「点が入らないのは、個別のクラブの問題だけでなくリーグ全体としての特徴なのではないか」と。
その辺、実際はどうなっているのかを、調べてみることにしました。
ヨーロッパの2部リーグと比べても、J2は得点が少ない
まずは、Jリーグの得点状況から見てみます。
J1リーグが1stステージの第14節、J2リーグが第15節、J3リーグが第11節までの得点を集計して、平均得点を比較しています。
結果を見てもらえれば分かるとおり、カテゴリーが下がるにつれて平均得点は下がっているのが分かります。ただ、J2とJ3の差が0.08点であるのに対して、J1とJ2の差は0.329点と、J1とJ2の間にあるカテゴリーによる得点差がかなり大きいことが分かります。
次に、Jリーグの得点状況が他の国のリーグと比べてどうなっているかも比較してみます。
UEFA(ヨーロッパサッカー連盟)のリーグランキング上位国とJリーグの得点状況を比べた結果です。
やはり、リーガエスパニョーラ(スペイン)、ブンデスリーガ(ドイツ)、プレミアリーグ(イングランド)とった強豪と比べると、Jリーグの得点はかなり少ないことが分かります。
平均得点が最も多いブンデスリーガと比較すると、J1リーグで0.35点、J2リーグにいたっては0.679点と大きく差があることが分かります。
また、同じヨーロッパの強豪でも、先ほど挙げた上位3カ国(スペイン、ドイツ、イングランド)は1試合平均で2.7得点以上入るのに対して、それに続くセリエA(イタリア)、リーグ1(フランス)は2.5点台と、ヨーロッパの強豪国の中でも差があることが分かります。
さらに、ヨーロッパ強豪国の2部リーグの得点とも比較してみます。
J2と比較するならこちらの方がより適切な比較になるはずです。
ヨーロッパの2部リーグと比較してもJ2は得点が少ないです。
スペインの「リーガアデランテ」やフランスの「リーグ2」はそこまで得点が多いわけではないですが、それでもJ2より0.1点、0.15点上回っていますから、「J2はあまり点が入らないリーグの1つ」ということは間違いないでしょう。
ただし、どの国のリーグも下位のリーグの得点が少なくなる傾向は変わらないので、その点についてはJ2の得点の少なさを考える際にも考慮する必要があります。
J2はだんだん得点が減ってきている
他のリーグと比べてJ2が得点が少ないリーグであることが、分かってきましたが、J2自体の得点の変化も見ておきます。
時系列での比較です。
直近5シーズンの第15節終了時点の平均得点の比較です。
徐々にではありますが、平均得点が少なくなっていることが分かります。
さらに、第15節終了時点の平均得点トップ3のクラブとワースト3のクラブを見てみると、
トップ3の得点は年々減少しているのに対し、ワースト3の得点は年々増加しています。ただし、トップ3の減少分の方がワースト3の増加分より大きいため、全体として減少傾向を示しているということが分かりました。
つまり、J2リーグは年々上位と下位の攻撃力の差が小さくなってきていて、得点をとること、ひいては勝つことが難しくなっていると言えるでしょう。
ということで、愛媛FCだけが点が取れないわけじゃない!!
お客さんを増やすには、得点を増やす工夫が必要
私のように特定のクラブを応援しているファンにとっては、得点が少なくても、
「新しい選手が活躍した」
「今までとはちがう戦い方を試した」
「守備の安定感が増してきた」
「前の試合のミスを修正できた」
など、クラブの成長を感じることができればゲームを楽しむことができます。
ですが、サッカーに詳しくないファンにとっては90分全く得点が生まれないゲームは退屈です。
友人と一緒にJリーグのゲームを見に行っても、
「点が入らないとつまらない」
と必ず言われてしまいます。
愛媛FCをはじめJ2に所属するクラブは、観客動員に苦労しているところが多いです。
・リーグのステータスが低い
・有名な選手がいない
・スタジアムの設備が悪い
・アクセスが良くない
など理由は様々ですが、”得点の入りにくいゲーム”もその1つ。
それぞれのクラブに事情はあると思いますが、お客さんを呼びやすくするためにも、得点が多く入るゲームを増やす工夫を各クラブ(特に観客が少ないクラブ)がやって行くべきだと思います。
まとめ
J2リーグは得点が入りにくいリーグです。
愛媛FCだけでなく、もう少し点が入るようにしていかないと、観客動員の面で心配になります。
おまけ
とは言え、「攻撃に人数を割きながら、失点もしないで勝つ」というのは難しい!