首都圏のラジオ局では2ヶ月に1度、偶数月に聴取率調査が行われます。
2016年4月は明日からの1週間が調査対象の週です。
局別では、TBSラジオ、ニッポン放送の聴取率に注目
2016年2月度の聴取率調査の結果は次の通りでした。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
TBSラジオは前回も首位を獲得して、14年8ヶ月連続での首位を記録。
しかも、2015年8月調査以降、一貫して数字を伸ばしていて、
前回調査の1.3%は、2014年6月以来の高い聴取率になりました。
また、ニッポン放送が一気に0.2%数字を伸ばして、単独2位に躍り出たのも、
前回調査の大きなニュースでした。
ニッポン放送の単独2位は2014年6月以来のこと。
2014年8月以降は、0.6%で同率4位が定位置だったニッポン放送が
突如目覚めたのは、大きな驚きでした。
前回調査からの流れを見ると、今回の調査で注目すべきは、
・TBSラジオがさらに数字を伸ばすことはできるのか
・ニッポン放送の0.9%の数字は本物か
この2点です。
前回の聴取率一覧を見ていただければ分かるように、TBSラジオと2位以下の局の間には
かなりの差があるので、TBSラジオの1位は今回も安泰。
そこで、注目すべきは「前回の聴取率1.3%をさらに伸ばすことができるか」になります。
この1.3%の聴取率は、2014年以降の聴取率で最も高い数字。
ラジオ業界全体を底上げするためにも、TBSラジオには今の勢いを借りて、
是非ともクリアしてもらいたいところです。
一方で、ニッポン放送の0.9%はここ2年で最も高い数字。
ニッポン放送の聴取率の推移を見てみると、突発的に記録された数字のように感じますので、
この数字が一時的なものなのか、実力が反映された結果なのか、まだよくわかりません。
来週以降の調査でその見極めができますので、ニッポン放送の聴取率にも注目です。
番組別聴取率ではTBSラジオの新番組に注目
4月はラジオ局の番組改編がある月。
番組別聴取率については、新番組に注目が集まります。
特に、TBSラジオの「大沢悠里のゆうゆうワイド」終了後にスタートした
「伊集院光とらじおと」と
(出典:TBSラジオ 公式HP)
「ジェーン・スー生活は踊る」の
(出典:TBSラジオ 公式HP)
2番組の聴取率が最大の注目ポイント。
と言うのも、前回の番組別聴取率の一覧をみていただくと、
前番組にあたる「大沢悠里のゆうゆうワイド」は首都圏ラジオ局全番組の中で1位。
その後を受けて始まる新番組ですから、その変化には注目せざるを得ません。
人気、実績、経験、トークスキル、等を考慮すると、
伊集院光さんとジェーン・スーさんは、大沢悠里さんの後を務めるパーソナリティとして、
考えられる範囲ではベストの人選と言えますが、
番組スタートが、聴取率調査の1週間前で、番組がリスナーに浸透するには、
時間が少なすぎます。
また、悠里さんの退任で、多くのリスナーがTBSラジオから離れるのは確実で、
それは、ラジオから悠里さんの声が聞こえなくなった瞬間に起こりますが、
反対に「伊集院さん、ジェーン・スーさんだからこそ聞く」と言うリスナーが
番組の存在を知って聞き始めるまでには、しばらく時間がかかります。
つまり、「番組の浸透」と「リスナーの入れ替わり」にかかる時間を考慮すると、
両番組の苦戦が予想され、
そのような逆境を中で、聴取率トップ10に入ってこれるかどうか、気になるところです。
また、「伊集院光とラジオと」「ジェーン・スー生活は踊る」と同時間帯で放送されていて、
聴取率トップ10の常連でもある、ニッポン放送の「あなたとハッピー」にも注目です。
(出典:ニッポン放送 公式HP)
「あなたとハッピー」は「大沢悠里のゆうゆうワイド」を相手に、
聴取率で一歩も引かなかった、人気の高い番組です。
前回調査でも堂々8位につけていて、新番組のスタートで隙のある
TBSラジオを追撃するには絶好の機会と言えます。
「ゆうゆうワイド」から流れてくるリスナーも相当数いると予想されますから、
今回の調査では躍進が期待されます。
新番組関係で言うと、もう一つ気になるのが、ニッポン放送の
「星野源のオールナイトニッポン」。
(出典:ニッポン放送 公式HP)
月曜深夜1時と言えば、TBSラジオの「伊集院光 深夜の馬鹿力」が圧倒的な強さを
誇っていますから、「深夜の馬鹿力」にどの程度迫れるかに注目です。
HPから伝わる聴取率への各局の意気込み
聴取率調査週間の1、2週間前から、各ラジオ局はHPでその告知を行っています。
そのページを見ていると、各局がどの程度聴取率調査に力が入っているかが分かって、
なかなか面白いです。
今回の調査で「最も力が入っている」と感じるのは、ニッポン放送。
まず、聴取率調査の週の各日の番組についてページを作成しています。
これだけでも相当な予算と労力が必要ですが、特徴的なのは聴取率調査に合わせて、
各番組で動画を作成していること。
(出典:ニッポン放送 公式HP)
ラジオは音のメディアですから、どうせアピールするならパーソナリティの声を
聞いてもらうのが一番です。
それには、動画を使うのも良いアイディアの1つ。
また、最近感じることの1つに、パーソナリティが話す姿を見せることによって、
リスナーの親近感が高まることがあります。
ラジオでも、Ustreamなどの動画配信を併用する番組が徐々に増えてきているのですが、
リスナーに与える影響は抜群で、声だけの場合よりも番組の雰囲気がストレートに伝わり、
パーソナリティをより身近な存在として、感じることができるのです。
(私は動画配信がある番組については、動画も一緒に見るようにしています)
HP上で動画を通じてパーソナリティの姿を見せるのは、リスナーとの距離を
縮める役割を果たしますから、このような取り組みは必ず評価を高めるでしょう。
先述の通りこのような取り組みには、予算と人員に余裕がないとできませんが、
これまでよりもHPの作成に力を入れているのは間違いありません。
ニッポン放送はかなり本気です。
ニッポン放送には及びませんが、聴取率1位のTBSラジオのHPも充実しています。
ニッポン放送と同様に、聴取率調査週の各日についてページを作成していますし、
番組を分類して、おすすめ番組を提案するといった、
今まで聞いたことのない番組へリスナーを誘導するような工夫も見られます。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
ただ情報を羅列するだけだった、今までのページ作りとは違って、
かなり充実した内容になっていることが分かります。
その一方で「これはどうなの?」と感じるのが文化放送。
聴取率調査のページを独立して作っているのは他局と同じですが、
内容が以前の聴取率調査の時で作られたものとほとんど変わらず。
「テンプレのまんまじゃんか!!」と突っ込みを入れたくなるほどの、
既視感満載のページになっています。
正確に言うと、これはHPがどうこうというより、「番組の企画がいつも変わらない」
ということで、全く新鮮さがない。
もっと言うと、「局全体が停滞している」という印象です。
決して好調とは言えない聴取率が続いている中で、4月改編でもほとんど変化がない、
というのが最も大きな問題点だと思います。
文化放送は、他局と比べると規模が小さく予算も潤沢ではないので、
同列で比較するのは間違いですが、それでも、もう少し変化を求める姿勢は必要でしょう。
今後に期待です。
まとめ
明日から2016年4月度の首都圏聴取率調査が始まります。
朝の帯番組を入れ替えてきたTBSラジオ、ついに本気を出し始めたニッポン放送の
動向に注目です。
おまけ
「近日出荷」を通して熊本の皆さんとも、たくさんのつながりがを持たせてもらっています。
1日も早く元気なお姿を取り戻されますように、強く強く願っています。
非力ではありますが、少しでもお力添えができるように力を尽くします。