2016年8月22(月)~8月28日(日)に実施された、2016年8月度首都圏ラジオ聴取率調査の結果が公開されました。番組別の聴取率でいくつかの変化が見られました。
局別聴取率TBSラジオは首位を堅持、ニッポン放送が単独2位で好調を維持
まずは、局別の聴取率の結果から見ていきましょう。
局別聴取率の結果
(出典:TBSラジオ 公式HP)
前回比です。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
前回は、J-WAVEが0.5%で、NHK第一と並んで最下位を記録すると言う、前代未聞の結果に衝撃が走りましたが、
(前回の聴取率調査についてはこちらの記事でまとめています)
今回は0.1%戻して0.6%。文化放送と並んで同率4位になりました。
ここ2年、0.7%をキープし続けてきたJ-WAVEにとっては物足りない数字かもしれませんが、0.5%で固定されることなく、すぐに回復基調に乗せられたことはポジティヴに捉えるべきです。
この調子で、秋の改編で現状をテコ入れできれば、すんなりと元の0.7%に戻るかもしれません。
(秋の改編情報についてはこちらの記事で扱っています)
他の局に目を移すと、単独2位を獲得したニッポン放送の好調ぶりが印象的です。
今年に入って好調を維持するニッポン放送ですが、これで2016年度は、4回中3回0.9%を記録。
すでに、どのタイミングで1%を越えても不思議ではない状況が続いてきているので、TBSラジオ1強の現状を変えるため、また、ラジオ界全体のパイを増やすために、早く1%の大台に乗せてもらいたいと思っています。
ニッポン放送は、昨年まで0.6%から抜けだすことができず苦戦していて、そこから0.9%にまで聴取率を上げてきたわけですから、他局でも同じ事ができるはずです。
複数の局が1%台で首位を争えるような状況が好ましいと思いますので、ニッポン放送以外の局もぜひ1%越えを目指してもらいたいと思います。
それ以外に、TOKYO FMは0.8%の壁を越えられずに足踏みしていますが、これも0.7%⇄0.8%を行き来する中で越えていくものと考えられます。なので、今は少し我慢でしょうか。
なお、文化放送は0.6%、NHK第一は0.5%で前回と変わりありませんでした。
番組別聴取率 「伊集院光とらじおと」(TBSラジオ)強し! 単独首位をキープ「垣花正 あなたとハッピー」(ニッポン放送)、「山下達郎のサンデー・ソングブック」(TOKYO FM)の健闘が光る
番組別聴取率では、動きがありました。
早速結果を見ていきましょう。
番組別聴取率の結果
番組別聴取率の結果です。なお、具体的な聴取率は公表されていませんので、順位のみを記載しています。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
同率8位が4番組ある関係で、番組別聴取率トップ10の中に、11番組が含まれていますが、その中でTBSラジオは9番組がランクインと、今回も圧倒的な強さを誇っています。
その一方で、TBSラジオ以外の局からも2番組がランクイン。しかも3位、5位と好成績を残しているところに、大きな特徴があります。
「伊集院光とらじおと」強し 前回に引き続き1位を獲得!
前番組中で1位を獲得したのは、今回もTBSラジオの「伊集院光とらじおと」でした。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
聴取率調査に合わせて、プレゼントを用意したり多彩なゲストを迎えたりしていましたが、そのようなテコ入れがなくても通常の放送が当たり前のように面白いので、この結果も当然というのが正直な感想です。
伊集院さんのおしゃべりに頼りっきりという訳ではなく、各コーナーで、学び、バラエティ、リスナー参加型、メール・ハガキの投稿、など様々な色を出して、2時間半の長時間を飽きさせない構成にしているのが、奏功していると思います。
TBSラジオの朝の顔として完全に定着した「伊集院光とらじおと」。
聴取率1位でありながらも、今後まだまだ成長を遂げてくれそうな、期待度の高い番組です。
「垣花正 あなたとハッピー」が遂に3位を獲得ニッポン放送の看板番組へ
「垣花正 あなたとハッピー」が3位に入ってきました。
(出典:ニッポン放送 公式HP)
「垣花正 あなたとハッピー」は、先ほど紹介したTBSラジオの「伊集院光とらじおと」と同じ時間帯に放送されているライバル番組ですが、そこで堂々と渡り合い、前番組中3位の聴取率を獲得するところまできました。
かつて吉田照美さんが、
聴取率を上げるには、番組だけの力では難しい。
局全体の力の影響をどうしても受けてしまう
という趣旨のことを話されてましたが、TBSラジオ1強の現状では、他局の番組が番組別聴取率トップ10に入るのは非常に難しくなっています。
そんな中で、「垣花正 あなたとハッピー」は、
2016年度聴取率調査 | 2月 | 4月 | 6月 | 8月 |
---|---|---|---|---|
番組別聴取率順位 | 8位 | 10位 | 6位 | 3位 |
今年に入って、毎回トップ10をキープ。
さらに今回はトップ3にまで上り詰めたと言うことで、現在のニッポン放送を牽引する看板番組に成長したといって良いでしょう。
これでもし、「伊集院光とらじおと」とトップ争いをするような展開になれば、「垣花正 あなたとハッピー」は平日の帯番組で、局別の聴取率に与える影響も大きいはずですから、いよいよTBSラジオとニッポン放送の2強時代が到来するかもしれません。
今後どのような展開になるか、非常に楽しみな番組ですので、動向に注目しています。
「土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送」が同率3位へ
「土曜ワイドラジオTOKYOナイツのちゃきちゃき大放送」が3位に入ってきました。
(出典:TBSラジオ 公式HP)
今年の順位の推移を見てみると、
2016年度聴取率調査 | 2月 | 4月 | 6月 | 8月 |
---|---|---|---|---|
番組別聴取率順位 | 9位 | 3位 | 6位 | 3位 |
と抜群の安定感を発揮。
2015年10月に「永六輔その新世界」の枠を引き継いで始まった番組ですが、この時間帯を担当するパーソナリティとしてナイツのお2人が適任だったことが証明されているように感じます。
番組開始当初からもう何年も担当してきたかのような、落ち着いたおしゃべりで、安心して聞くことができるので、「永六輔その新世界」を聞かれていたリスナーにとっても違和感がなく、番組が変わっても引き続き聞いている方も多いのではないでしょうか。
このまま番組の方向性を変えずに、続けていけば、息の長い人気番組になりそうです。
「山下達郎のサンデー・ソングブック」が5位へ
「山下達郎のサンデー・ソングブック」が見事5位を獲得しました。
実は、「山下達郎のサンデー・ソングブック」は昨年の8月の調査でもトップ10入りしていて、この季節には非常に非常に強いのです。
もともと高聴取率を獲得している番組で、自力があるというのは間違いないのですが、それに加えて8月には名物企画のコレ。
(出典:TOKYO FM HP)
「納涼夫婦放談」があります。
この企画は、「サンソン」のリスナーだけでなく、山下さんのファン、竹内さんのファンとたくさんの方が楽しみにしていますし(竹内さんは、あまりメディアに出られないので、竹内さんのファンの方は特にそうかもしれません)、ラジオ番組としても非常に面白いので、聴取率にも現れるようです。
次は12月に「年忘れ夫婦放談」がありますから、12月の調査にも注目です。
ちょっと気になる「福のラジオ」
TOKYO FMの人気番組、福山雅治さんが担当されている「福のラジオ」が、前回に続いてトップ10を外れてしまいました。
2015年は2月を除いて、トップ10に入っていたのですが、今年は既に6,8月と2回トップ10を外れているのがちょっと気になります。
番組自体は今までと変わりなく面白いので、特別な原因があるようには思えないのですが、ひょっとすると、今になって放送時間の変更(日曜16時から土曜14時へ)の影響が出てきたのではないかと推測しています。
と言うのも、昨年までは、同じTOKYO FMの「山下達郎のサンデー・ソングブック」(日曜14時から放送)がトップ10に入ってきたときには、必ず「福山雅治のTalking F.M」(現「福のラジオ)」もトップ10に入って、しかも同順位か上というのが通常でした。
ところが、今回は「サンデー・ソングブック」がトップ10入りをしているにも関わらず、「福のラジオ」がトップ10から外れたわけで、その点を考えると、TOKYO FMに関して言えば、土曜よりも日曜の方が相対的に聴取率が高いなど、曜日による聴取率への影響があるようにも考えらるのです(ただし、詳細な聴取率の結果がわからないので、推測の域をでるものではないですが)。
また、「福のラジオ」が放送されている土曜の14時は、TBSラジオで「久米宏 ラジオなんですけど 」が放送されている時間帯。
「ラジオなんですけど 」は、今回も7位に入ってきているように、聴取率も好調で、他局の聴取率がかなり影響を受けているようにも感じます。
「福のラジオ」は、トップ10の常連番組ですので、これから巻き返しがあるのか、それともこのまましばらくトップ10を外れてしまうのか、今後の展開が気になる所です。
まとめ
2016年8月度首都圏ラジオ聴取率は、TBSラジオが首位を維持して15年2ヶ月連続1位を達成しました。2位はニッポン放送が0.9%で、大台の1%に迫る勢いを見せ、前回0.5%で再開に沈んだJ-WAVEは、0.6%と持ち直してきました。番組別では、TBSラジオ「伊集院光とらじおと」の連続1位獲得以外に、ニッポン放送「あなたとハッピー」、TOKYO FM「山下達郎のサンデー・ソングブック」の健闘が光りました。
おまけ
10月は、ラジオ局の改編期です。
次回の聴取率調査は10月で、改編後初めての調査になります。
大規模な改編をする局もありますので、その影響がどれくらい出るか、楽しみです。