2週間前、2015年4月度のラジオ聴取率調査の結果が発表されたところですが、明日からは6月度の聴取率調査がスタートします。
4月の調査は、4月の番組改編後すぐと言うことで、前回調査からほとんど変化がありませんでしたが、今回は新番組の真価が問われる調査になります。
4月度調査の振り返り 前回調査から微動だにしなかった局別聴取率
4月の聴取率調査は、首都圏のみの調査でしたが、今回は関西圏、中京圏でも実施されます(関西圏については、既に始まっていて、今週と来週の2週間にわたって行われます)。
残念ながら、関西圏の聴取率調査の結果はほとんど公表されることがなく、希に、パーソナリティが番組内で触れた時の発言だけが(しかも具体的な聴取率には言及せず、順位を明かす程度)、リスナーが知ることができる聴取率の情報です。
そのため、関西圏の番組については、聴取率の観点から分析を加えることが難しいのです。
一方、中京圏については、ある程度情報が公表されています。
開局以来、ZIP-FMの独走が続いているのが中京圏の特長で、朝の時間帯を除く時間帯で、ZIP-FMが他局を圧倒しているのが現状です。
そのZIP-FMに次ぐ存在が、CBCラジオ。
時間帯別の聴取率で、唯一、ZIP-FMを上回っているのが、CBCラジオの朝の時間帯なのです。
今後、CBCラジオがZIP-FMにどこまで迫れるかが注目のポイントですが、まだ両者の間には少し差があるので、しばらくはこのままの状況が続きそうです。
そして、首都圏の聴取率ですが、簡単に4月の調査を振り返っておくと、次のような結果でした。
TBSラジオを除いて、前回と全く同じ聴取率。
調査方法が適切なのかを問いたくなる結果ではありますが、「4月は、新番組の”様子見”の期間に調査が行われた」と考えることもできますから、それまでと同じような流れでラジオを聞いたリスナーが多かったということかもしれません。
6月は、そろそろ新番組についてのリスナーの評価が顕れる頃ですから、新たな動きがあってもおかしくはないでしょう。
今回の、聴取率調査の見所を確認しておきましょう。
J-WAVEの新番組への反応
まずは、J-WAVEです。
J-WAVEは4月に、朝・昼の帯番組を変更すると言う、大幅な番組改編を行っています。
(J-WAVEの4月改編についてはこちらの記事で触れています)
ラジオにとって、朝と昼の時間帯は聴取率が高くなる傾向にありますので、「朝・昼の帯番組の変更」は、局別の聴取率へ与える影響もかなり大きいと考えられます。
そのため、前回の調査でもJ-WAVEに注目していましたが、結果は、2月と全く変わらないものでした(2月、4月ともに0.7%)。
もちろん、この結果をもって、新番組への評価と考えることもできます。
ですが、先述の通り、「しばらく聞いてみて判断しよう」と考えた既存のリスナーが、それまでと同じ流れでラジオを聞いていた可能性もありますし、
「新番組を試しに聞いてみよう」と、4月から新たにJ-WAVEを聞き始めたリスナーが、数字を押し上げた結果が「0.7%」だったのかもしれません。
いずれにしても、4月調査には、少なからず、”新番組を見極めるため”に聞いていたリスナーを含んでいるでしょうから、
新番組への評価は、今回の聴取率調査でよりはっきりすると思います。
その点で、J-WAVEの局別の聴取率に注目です。
J-WAVEの2つの新番組は、前の番組と趣がかなり違うので(パーソナリティの個性もそうですし、番組の内容の点でもそうです)、「聴取率に変化があって当然」と、個人的には考えています。
特に、午前の番組、「Pop Up!」は好みが分かれるように感じています。
(出典:「Pop Up!」オフィシャルサイト)
サイトの説明によると、「Pop Up!」はキュレーションサイトであり、ラジオはそのサイトにある情報を流す媒体という位置づけのようです(サイトが”主”、ラジオが”従”、の関係ですね)。
J-WAVEは、こう言った流行りものを取り入れるのが大好き。
「たまむすび」(TBSラジオ)vs「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)のライバル対決
もう一つは、平日午後の帯番組のライバル、TBSラジオ「たまむすび」と文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」の対決です。
この2つの番組は、年ごとに優勢・劣勢が入れ替わる、激しい聴取率争いをしています。
一昨年は「たまむすび」が優勢でしたが、昨年は「ゴールデンラジオ」が逆転。1度も「たまむすび」に先行を許すことはなく、そのポジションを固めたようにも思われました。
ですが、今年に入ると、情勢が変化します。2月には「たまむすび」が「ゴールデンラジオ」に迫り、それまでの差を縮めることに成功。
そして、4月。ついに、両番組は同率で並ぶところまで来たのです。
(4月の番組別の順位。5位で両番組が並びました)
今年に入ってからの流れで行くと、
たまむすび > ゴールデンラジオ
次は、
「たまむすび」が「ゴールデンラジオ」を逆転するかどうか
が大きなポイントです。
6月の調査では、「たまむすび」と「ゴールデンラジオ」の番組別の順位に注目です。
「ゴールデンボンバー鬼龍院翔のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)、「リッスン? 〜Live 4 Life〜」(文化放送)の終了の影響
ラジオ局の番組改編のタイミングは、4月と10月の2回。
プロ野球の始まりと終わりが、大きな区切りになっています。
ですが、これ以外の時期に番組が変わることはないのかと言えば、そのようなことはありません。
この6月にも終了する番組があります。
・「ゴールデンボンバー鬼龍院翔のオールナイトニッポン」(ニッポン放送)
・「リッスン? 〜Live 4 Life〜」(文化放送)
の2つです。
鬼龍院翔さんのオールナイトニッポンは、パーソナリティの交代、リッスン?は番組自体の終了と違いはありますが、いずれも、放送時間が深夜1時から3時までで共通していて、同時間帯のライバルでもあったのです。
奇しくも、同時間帯の番組が同じタイミングで終わるということになりました。
聴取率の観点で言うと、平日深夜の時間帯は、TBSラジオのJUNK、NHKのラジオ深夜便、が非常に強く、
40代くらいまでの層をJUNK、それ以上の層をラジオ深夜便で、リスナーを分け合って、それ以外のラジオ局は、ほとんど存在感を発揮できないでいます。
特に、鬼龍院翔さんが担当していた月曜深夜は、TBSラジオの伊集院光さんの番組(「深夜の馬鹿力」)が、圧倒的な強さを誇っていて、他が全く太刀打ちできない状況でした。
この状況は、今に始まったことではなく、ニッポン放送、文化放送ともに、それに対応すべく、従来から、積極的にパーソナリティの入れ替えや、番組の変更を行ってきています。
今回の決定も、その一環として行われたということでしょう。
終了が決まっている2つの番組にとって、今回の聴取率調査は、ほとんど意味のないものですが、後継番組(もしくはパーソナリティ)の評価基準と言う観点から、意味を持つことになります。
平日深夜のTBSラジオとNHKの強さがどの程度かを知るための、聴取率調査になりそうです。
まとめ
6月の聴取率調査は、局別の聴取率に変化があるかに注目しています。
番組別では、平日午後の帯番組「たまむすび」と「大竹まこと ゴールデンラジオ」の対決が楽しみです。
おまけ
ヨーロッパのフットボールシーズンは、バルセロナの3冠で幕を閉じました。
バルセロナの攻撃力は素晴らしいものがありましたが、ユベントスの組織だった守備にも目を見張るものが。
4人、場合によってはFWの1人を含めた5人で、中盤に広い網を張り、サイドでボールを持たれたときは、ボールホルダーに必ず2人でマークできるように、中にパスが入ったときには、3人から5人で囲めるように、各選手が細かくポジションを修正しながら、粘り強く守備をする姿は美しく、感動を覚えました。
ユベントスの選手から、「戦術の重要性」と、「それを徹底するために、勤勉さとしたたかさが必要」であることを教えられた、日曜の早朝でした。