日本のサッカーカレンダーを見てみると、8月の初めは日本代表チームの「東アジアカップ」が大きなイベントとして注目されていますが、一方で、この時期は、年に2回しかないクラブ間の選手の移籍が解禁されるタイミング。今までは地味な印象だった、Jリーグの夏の移籍市場ですが、今年はかなり活発な動きを見せています。
Jリーグのの移籍期間は、年に2回だけ
サッカークラブでは、毎年たくさんの選手、監督が入れ替わります。
プロ野球では、FAを除いて、そのチームの主力級の選手が移籍することはほぼないと思いますが、サッカーではその年のスタメンが半分くらい入れ替わるということも珍しくありません。
これだけ動きが激しいと、なかなか選手が覚えられなくて、興味を持ちづらいというデメリットもありますが、
新しい選手によってチームがどんどん変わっていく姿を見る楽しさもあり、楽しみの一つとも言えます。
頻繁に選手が入れ替わるサッカーの世界ですが、いつでも移籍が可能なわけではありません。
移籍期間は、夏と冬の2回だけ。
それ以外の期間に移籍することは、原則として認められていません(例外はあります)。
この点は、世界中のリーグで共通していて、Jリーグももちろんその中に含まれています。
細かい点は国によって異なりますが、Jリーグの場合は、
冬は1月の始めから3月の最終週まで、
夏は、7月の第3週または、第4週からの4週間、
が移籍期間になっています。
2015年シーズンは、冬が1月2日から3月27日、夏が7月10日から8月7日まで。
今年の夏の移籍は、来週末が期限です。
移籍期間の長さを見ていただければ分かると思いますが、Jリーグでは、冬の移籍の方が活発で、夏の移籍は地味なのが一般的な傾向です。
というのも、大きな入れ替えはその年のチームがスタートする前に済ませておいて、できればそれだけでシーズンを乗り切りたいと考えるから。
基本的に夏の移籍は、ケガなどでどうしても戦力が足りない時に、やむを得ず行うものという位置づけになっているのです。
なので、夏の移籍にはあまり注目が集まらなかったのですが、今年はかなり派手な動きがあり、各クラブの主力級の選手が、このタイミングで動くようになっています。
印象としては、夏の移籍も活発になってきているよう思われますがが、実際に夏の移籍期間に、選手の移籍は活発になっているかを、移籍件数の推移で見てみることにします。
(出典:川崎フロンターレ HP) 今年の冬に川崎に加入した角田選手が、清水に移籍したのは驚きです
夏の移籍件数はあまり変化していない
まずは、毎年の移籍件数の推移をご覧下さい。
(出典:Sponichi Annex 移籍情報)2015年は7月までの数字です
年を追うごとに、件数が増えていることがお分かりいただけると思います。
理由はいろいろ考えられますが、単純にJリーグのクラブの数が増えて、選手の受け皿となるクラブが増えたことがあるでしょう。
J2のクラブ数も増えましたし、J3も創設されて、2015年現在でJリーグに所属しているクラブは52です。
次に、夏の移籍の件数を見ていただきたいのですが、
あまり増えていません。
2012年こそ140件にまで増えましたが、2013、2014年は120件程度に落ち着いています。
2015年は、7月だけの件数なので、念のため、7月だけの推移も見てみますが、
あまり変わりませんね。
やはり、夏の移籍は減少傾向にあるようです。
日々のニュースに接していると、夏の移籍もどんどん活発になってきているように感じていましたが、実際の数字はそうではありませんでした。
主力の移籍によって、夏の移籍も印象的に
件数としては少ないことが分かった夏の移籍ですが、それでも、派手な印象を受けるようになったのは、主力級の選手がこの時期にも移籍するようになったからだと思います。
先述の通り、移籍期間は世界中で夏と冬の2回と決められていますが、サッカーの強豪クラブが所属するヨーロッパは、夏がオフシーズンになるので、夏の移籍が活発です。
と言うことで、Jリーグからヨーロッパのトップリーグに移籍したり、ヨーロッパの選手が他のリーグに移籍したりするのは、主に夏。
つまり、ヨーロッパの能力の高い選手の移籍が夏に起こりやすく、その余波がJリーグにも押し寄せる形で、Jリーグでも主力級の選手の移籍が起こっているように思います。
まとめ
Jリーグの移籍件数は着実に増えてきていますが、夏の移籍はそれほど増えていません。
ただ、ヨーロッパの移籍市場の影響を受けて、Jリーグでも主力級の選手の移動が夏にも起こるようになり、夏の移籍も強いインパクトを与えるようになっているようです。
おまけ
愛媛FCは、夏の移籍市場で2人の選手を補強しましたが、中盤の要である岡崎建哉選手を欠いた状態で、シーズンを乗り切らなければならなくなりました。
チームの心臓の役割を担っていただけに、本当に痛いですが、建哉選手には、1日も早くケガを治してもらって、ピッチで躍動する姿を見せてもらいたい!