たまにJリーグ発生する「サポーター居座り」。どれくらい起きている物なのか調べてみました。
「サポーターの居座り」事例を調べてみた
7月10日に行われたJ2リーグ第22節、「ジェフユナイテッド千葉vs水戸ホーリーホック」戦は、0-1でジェフが敗れ3連敗となりました。
そして、ゲーム後に起きたのが「サポーターの居座り」。
日刊スポーツの記事によると、
試合終了後も、ゴール裏に約300人が居座り、「関塚監督を出せ」「高橋GMを呼べ」と敗因の説明を要求した。
(出典:日刊スポーツ 2016年7月10日)
とのこと。
「ジェフってこういうのがよく起こるよなぁ」
とボンヤリ考えていたのですが、実際にどれくらい起こっているのか調べてみました。
2014年から2016年を対象として、ネット上で確認できたものだけを記載していますが、漏れがあると思いますのでその点、ご了承下さい。
ー2016年ー
①2016年6月11日 J1リーグ 1stステージ第15節 名古屋グランパスvsサガン鳥栖
名古屋サポーター社長との面談をもとめて居残り
②2016年7月10日 J2リーグ 第22節 ジェフ千葉vs水戸ホーリホック
ジェフサポーター約300人がゼネラルマネジャーと監督への説明を求め、ゴール裏に居座った
ー2015年ー
①2015年4月29日 J1リーグ1stステージ 第8節 甲府 vs 浦和
成績が上向く気配すら感じない現状に甲府サポーターが居座り、監督に釈明を求める
②2015年5月6日 J2リーグ第12節 FC岐阜vs京都サンガF.C.
京都サポーターが首脳陣との話し合いを要求し、駆けつけた今井社長に「頼むからJ2にだけは残ってくれ」と訴えた
③2015年9月19日 J1リーグ2ndステージ第11節 川崎フロンターレvs名古屋グランパス
1-6で敗れた川崎フロンターレ戦の試合後には名古屋サポーターによる抗議の居残りがあり
④2015年10月17日 J1リーグ2ndステージ 第14節 清水エスパルスvsベガルタ仙台
試合後、スタンドに残った清水サポーターは、チーム幹部に説明を求め「出てこい」「ふざけんな」と激しい言葉を浴びせた。
ー2014年ー
①2014年3月2日 J2リーグ第1節 ジェフユナイテッド千葉vs栃木SC
試合後に監督へ説明を求める約200人のジェフサポーターがスタジアムに居残る
②2014年7月27日 J1リーグ 第17節 大宮アルディージャvs徳島ヴォルティス
最下位の徳島に完敗した大宮のサポーターが試合後、選手バスを取り囲んだ。
2016年はまだ日程の半分が過ぎたところですが、既に2件発生していますので、年間で行くと3,4件は出てきそうですね。
そもそも、試合が終了したら片付けをして帰るのがルールですから、試合後に居座り続けるのは異常事態ですし、ゲームを運営するクラブからすると迷惑行為ですね。
そんなことが年間3,4件起こるのですからかなり多いですよね。
”居座り”は何のため?
上の一覧表の下に”居座り”の理由も簡単に記載してあるのですが、ほとんどのケースは「負けたことへの釈明」ですね。
一種の抗議なんだとは思いますが、負けた事実は変わらないし、どんな説明を受けても納得することはないと思うんですよね。”負けたこと”に腹が立ってるわけですから。
それなのに、抗議の意味で”居座る”という方法を選ぶのは、ちょっと理解できないです。
”居座り”は先述の通り、試合の運営に支障を来す迷惑行為ですし、サポーターカンファレンス(サポーターとの話し合い)などの開催要求を受け入れてしまうと人手とお金がとられることになります。
そして、最も痛いのが、マスコミに取り上げられることで、サッカーに対するイメージが悪化して、お客さんの足が遠のくこと。
”居座り”と言っても、サッカーを知らない人にとっては、単なるトラブルとしか認識されないので、「サッカースタジアム=危険」というイメージで捉えられてしまうんですよね。
(またマスコミがセンセーショナルに取り上げるんだよなー。)
そうなると、女性やお子さんなどにとっては近寄りがたい場所になってしまって、新しいお客さんに来てもらいにくくなるわけで、それが、1つのクラブだけでなく、全てのクラブに影響をあたえますから、本当に痛い。
で、結局、
居座った人:説明されても納得はしない
居座ってない人:何やってんだ?
クラブ:対応にムダな手間と金と時間がかかる
他クラブ:イメージの悪化で迷惑
一般の人:「サッカー=怖い」で、サッカーが遠のく
と、行動の割にマイナスの影響が大きすぎるんですよね。
なので、”居座り”止めた方がいいと思います。
抗議の方法はいろいろある
クラブやチームに不満がある場合でも、抗議のやり方はいろいろやりあるはずなんですよ。
パッと思いつくだけでも、
・ヤジ、ブーイング
・白いハンカチを振る(スペインでは抗議を意味します)
・ゲートフラッグ、ボード、横断幕でメッセージを出す
・クラブにメールを送る
・SNSやブログで意見を表明する
・途中で帰る
・スタジアムに行かない
など、居座るよりも手軽で、影響が広がりやすいものもたくさんあります。
ファン、サポーターってクラブやチームにとっては当事者のようで当事者ではないので、あんまりのめり込みすぎると、自分ではどうにもできない”もどかしさ”に苦しむことになります(監督を変えたり、選手を補強したりはできないですからね)。
なので、ファン、サポーターはあくまで観客としての立場で、「外から楽しむ」という姿勢が良いと思います。
とすると、抗議のやり方も”スタジアムに行かない”と言うのが、最も効果的でしょう。
お客さんの数が減るのは、売上に直接響くことから、クラブが最も危機感を覚えることの1つですし、他のクラブへの影響もなく、何より簡単に実行できます。
負けることもサッカー
サッカーを見ていると、なかなか勝てなくてフラストレーションが溜まることも多いです。
でも、相手のクラブも必死で戦っているわけですから、当然負けることもあるんですよね。
なので、勝つことだけが喜びになってしまうと、サッカーの応援は苦しいです。
「負けもサッカーの一部」と考えて、負けることも受け入れつつ、負け続けてつらくなったら、少し距離を置く。そして、また応援したくなったら復帰する、くらいの感覚で見るのが楽しいと思います。
まとめ
”居座り”、ダメ。ゼッタイ。
おまけ
あまり勝てないスモールクラブのファン・サポーターも、
勝つことを宿命づけられている大きなクラブのファン・サポーターも、
どっちも苦しいってことか。