実務で使えるExcel入門セミナー ドロップダウンリストで、Excelが苦手な人にも正しく入力してもらえるようにしましょう

Excelファイルを使って、就業時間管理や作業時間管理などを行うことがあります。入力方法を工夫しておくことで、Excelをあまり使ったことがない人にも正しく入力してもらうことができます。

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正しく入力してもらうためには、入力内容、入力方法をはっきりするすることが大事です

次のような作業時間の管理表に、作業時間を入力してもらうことを考えます。

 

 
入力してもらうのは、ピンクのセルの「月」、黄色セルの「氏名」、緑セル「○○時」、水色のセル「△△分」です。

 
開始時間と終了時間を入力してもらうことで、作業時間が計算される仕組みになっています。

 
同じ形式のファイルで作業時間を入力してもらうことで、作業時間の集計を簡単に行えるようにすることができます。

 
ただ、Excelをどれくらい使い慣れているかは人によって異なりますし、入力の仕方は人によってクセがあることから、 
必ずしも、ファイルを作成した人の意図通りに、入力してくれるとは限りません。

 
入力するだけでなく、”正しく”入力をしてもらえなければ、時間の計算がうまくできませんし、マクロを使ってファイルをまとめて集計するにも、うまく行かなくなるかもしれません。

 
そうならないように、正しく入力してもらうためには、 

 
入力内容、入力方法をはっきりする

 
ことが重要です。 
具体的にどのような方法が考えられるでしょうか。

 

 

 

「入力内容、入力方法をはっきりする」ための、具体的な方法

 

1.「注意書き」で正しい入力を促す

考えられる方法の1つは、入力内容について注意書きをつけておくこと。 
公的な書類の申請書などに、枠外に小さな文字で注意事項が書かれているのを見たことがあると思います。

 
これがあると、注意書きを見て入力してもらえるので、誤った入力を減らすことができます。

 


(注意書きを付け加える)

 

さらに強力な方法として、”入力内容を限定する”方法があります。 
決められた入力内容の中から選ぶ形にすれば、誤った方法で入力することはなくなります。
(ただし、この方法でも、選択した内容が誤りである場合は、ミスを防げません。それについては、別の方法を考える必要があります)

 
ドロップダウンリストを使う方法です。

 

 

2.ドロップダウンリスト

作業時間ファイルには、「月」と「開始時間」「終了時間」の入力欄があります。

 
「月」に関しては問題ないかもしれませんが、それでも形式を整えると言う意味では、「半角の数値で入力」など、データの種類をそろえる必要がありますし、

 
「開始時間」「終了時間」については、午前、午後の入力方法や、就業時間外の時間が入力されるなど、意図しない入力が行われる可能性が考えられるため、

 
予め入力内容を用意して、選んでもらう方法が有効になるのです。

 
ドロップダウンリストの作成方法は次の通りです。

 
「データ」タブから「データの入力規則」をクリックすると、リストが出てくるので「データの入力規則(V)」を選択、

 

 

すると、「データの入力規則」画面が開くので、

 

 

「入力値の種類(A)」から「リスト」を選び、「元の値(S)」に、選択肢を入力していけば、リストが作成されます。

 

ひとつずつ手入力するのも良いのですが(たとえば、「月」なら、「1,2,…,12」のように)、それでは面倒なので、セルに選択肢を入力しておいて、そのセルを「元の値(S)」に入力する方法をとりましょう。

 

就業時間が、朝の9時30分、就業時間が繁忙期の残業も含めて、深夜24時00分までだったとします。

 
「時間」は9時から24時までなので、「9」から「24」をセルに入力します。

 

 

ドロップダウンリストを組み込むセルを範囲指定して、

 

 

先ほどの手順で、「データの入力規則」画面を開き、「元の値(S)」にカーソルを合わせたあと、

 

 

「L1セル」から「L16セル」をドラッグすると、

 

 
「=$L$1:$L$16」と入力されるので、「OK」ボタンをクリックすると、

 

 
ドロップダウンリストが作成されます。

 
「分」についても同様に、「9時00分、9時10分…」のように、10分刻みのリストになるように、「0,10,…,50」とセルに入力して、

 

 

「データの入力規則」画面で、「元の値(S)」に入力すると、

 

 

「分」のセルで、ドロップダウンリストが作成されます。

 

 
これを、終了時間のセルでも同様に繰り返せば、「時間」「分」はリストにある数値からしか、入力できなくなります。 
これで、想定外の方法や内容がセルに入力される可能性は小さくなりました。

 

もし、「時間」のセルに、就業時間外である「3時」を意味する、「3」と入力しようとすると、

 

 
エラーメッセージが出てきて、入力が拒否されることになります。

 

このように、「注意書き」「ドロップダウンリストで入力内容を制限する」ことで、意図した方法&内容を入力してもらえる可能性が高くなります。

 

次回はもう少しテクニカルな方法で、より確実に正しい入力を促すことを考えます。

 

 

 

まとめ

たくさんの方に、Excelファイルへデータを入力してもらう場合、先手を打って、正しく入力してもらうための工夫をしておくと、意図した方法&内容で入力してもらいやすくなります。
 
<おまけ>
週末の天気は荒れそうですね、 
桜が散ってしまわないといいのですが。