Excelを効率よく動かすには、複数のスキルを身につける必要があります。スキルは知っているだけでは、あまり意味はなくて、スムーズに使いこなせるようになってこそ、役に立ちます。ただ、「知っている」から、「使いこなす」レベルに引き上げるのは、簡単なことではありません。「やってるうちにどうにかなる」と考えていると、結局、最初に覚えたやり方のままで、時間だけが過ぎることになってしまいます。
実はなかなか難しい、「仕事をしながら覚える」
「仕事のスキルは、仕事の中で覚えるのが早い」という考え方があります。
これは、真剣勝負の本番でスキルを使うことが、スキルを磨くのに最も適している、ということです。
確かに、「仕事の中で学んでいく」というのは、「仕事の成果」と「自身の成長」の両方実現する、ムダのない方法で、良さそうに思えます。
ですが、なかなか思い通りにはなりません。
仕事の場は、新しいスキルを試すのには向かない
当然のことですが、仕事の現場では、「速さ」が求められますし、失敗も許されません。
一方で、新しいスキルは、やりなれない方法を試すことになりますから、失敗がつきものですし、当然、時間もかかります。
「速さ」と失敗が許容されない場で、失敗の可能性が高く、時間がかかる方法をとるのは、かなり難しいことです。
結局、仕事の現場では、すでに自分が身につけている「やり慣れた方法」で仕事をすることになり、あまり効率の良くない方法を、ずっと使い続けることになってしまうことも。
仕事の現場は、新しいスキルを試す場として、向いているとは言いがたいのです。
仕事では反復練習が難しい
仮に、スキルを身につけることを優先し、時間がかかることを覚悟して、仕事の現場で新しいスキルを試すとします。
それでうまく行くかというと、そうでもありません。
スキルを身につけるには、反復練習が不可欠です。
ですが、仕事の現場で同じような状況が、短期間に連続して起こることはそうそうありません。
新しいスキルを試してみたものの、同じ事をするのは1週間後、下手をすると、1月後ということもあるでしょう。
そのように、間隔が空いてしまっては、いつも初めて試すのと同じになってしまいますので、反復練習の効果を期待しづらくなります。
反復練習の機会が、多く望めない仕事の現場では、新しいスキルの習得は難しくなります。
正しい方法を教えてもらえるわけではない
仕事の現場でスキルを教えてもらうこともあると思います。
ですが、仕事のスキルは、その人が独自に身につけた方法であることが多く、必ずしも効率的な方法であるとは限りません。
仮に、そのスキルを仕事の場でためす機会がたくさんあったとしても、習ったスキルが、正しいものでなければ、あまり意味はありません。
Excelについては、人によって、クセも違いますから、教えてもらったスキルがそれほでもなかったということが、よく起こります。
もちろん、世の中には優秀な方がいて、新しいスキルも1度現場で試せばスイスイ身につけてしまう方もいます。
そのような方は、現場でスキルを身につけていくのがベスト。
ですが、私も含めて、普通の人には、ここまで見てきたように「仕事のスキルを、仕事の中で覚える」というのは難しいことですので、仕事とは別に、トレーニングをする必要があります。
Excelスキル習得には「練習の時間」と「少しのガマン」を
Excelスキルを効率よく動かすためのスキルを身につけるにも、先述の通り、仕事場以外でのトレーニングが必要です。
トレーニングに際しては、「練習の時間」と「ガマン」がポイントになると考えています。
Excelスキルを身につけるために、まず最初に必要なのは、Excelを効率よく動かすための”正しい方法”を習うこと。
これは、セミナーを受けたり、動画を見たり、書籍で学んだり、どのような方法でも構いません。
プロから効率よく学ぶのが一番です。
ここまでは、教える側の問題ですので、ご自身に合う良い先生を選べばOKです。
大事なのは、教わった後のトレーニングです。
ここで、「身につく」ところまで引き上げられるかが決まります。
「スキルを身につけるには、時間がかかる」と覚悟する
まずは、焦らずに取り組むようにしましょう。
スキルが身についたと言えるのは、意識しなくてもスキルを発揮できる状態になった時です。
最初は、意識して新しいスキルを使えるようにしますが、それには、先にも触れたとおり、反復練習が不可欠です。
同じ事を繰り返し繰り返しやるのですから、個人差はありますが、相応の時間がかかります。
反復練習によって、スキルが使えるようになったら、それで終わりではありません。
今度は、無意識の中でも使えるようにトレーニングします。
同じスキルの反復練習ではなく、他のスキルを使うトレーニングの中で、自然にスキルを発揮できるようにするのです。
言ってみれば、意識して使っていた反復練習を終えて、1度その感覚を意識の外に追いやって、他のスキルの練習で自然に引き出すようにします。
「1度意識の外に追いやる」というのは、言い換えると一時的に「忘れる」ということでもあります。
そのためには、一定の間隔を空ける必要があるので、ここでも時間がかかるのです。
このように、スキルを身につけるまでにはどうしても時間がかかります。
ですが、最初からそのことを覚悟していれば、焦らずに、「スキル習得までの過程」と割り切って取り組むことができます。
それまでのスキルを使わない”ガマン”を
もうひとつは、”ガマン”することも大事です。
以前のやり方から、新しいやり方に切り替える時には、頑張って新しいやり方を使わなければいけません。
どうしても慣れたやり方の方を使いたくなるのが人情ですから、それを自制するのは結構大変です。
ですが、前のやり方を使う機会が増えれば増えるほど、そちらの方法に対する慣れが強くなりますので、新しい方法を使うためのハードルが自然に上がることになります。
ですので、新しいスキルを身につける段階では、それまでの方法を使わないための”ガマン”も重要な要素と考えて、トレーニングに取り組むようにしましょう。
まとめ
Excelスキルを身につけるには、仕事の現場ではなかなか難しいです。
正しい方法を教えてもらった後は、ご自身でトレーニングすることになりますが、「時間がかかることを覚悟する」ことと、「それまでの方法を使わないための”ガマン”が重要である」ことを意識すると上手くいきます。
おまけ
レブロン、頑張れ。